みんなが知りたい人間ドックの基礎知識から検査の種類まで徹底解説!

日本人間ドック学会の概要と活動内容

年齢を重ねていくと、職場の定期健診だけでは不安になることがありませんか?人間ドックを受けてみたいけれど、「今まで受けたことがないからなんだか不安」「どこの施設を選べばよいか分からない」等の理由で受けていない人も多いでしょう。

そこで頼りになるのが「日本人間ドック学会」です。日本人間ドック学会では施設の紹介や人間ドックで受けるべき基本検査項目などを定めており、これから受ける人の強い味方になってくれます。

そこで今回は人間ドック学会の概要と活動内容について詳しく解説していきます。

日本人間ドック学会の概要とは?

日本人間ドック学会は1959年に設立された公益社団法人で、予防医学に関する学術の振興と高齢者福祉の増進及び勤労福祉の向上が主な目的です。事務所は東京都千代田区に構えています。

平成28年度3月時点で学会の正会員は医師5532名、医師以外469名、医療機関施設会員1649名、企業等の賛助会員32団体にも上り、現在も増加傾向にあります。

学術大会の開催や学会誌の発行、認定医や人間ドック健診情報管理指導士(アドバイザー)、人間ドック健診食生活改善指導士(食生活アドバイザー)などの認定医制度の運営も行っています。

その他には、人間ドック健診施設機能評価を2004年より開始しています。「予防医療の実践と確立」「人間ドック健診施設の育成と受診対象者の啓発」を理念として健診施設機能評価委員会を設置し、健診を行う施設に対して質の向上や方針の確立、体制構築や職員の教育、情報共有などの活動をしています。

健診施設機能評価の厳しい審査項目をクリアした施設は「機能評価認定施設」に認定されているため高い健診の質が認められており、安心して受診することができます。

さらに人間ドック健診施設機能評価に認定されている施設の中でも優秀な施設は表彰するなどし、意識の向上を促しています。人間ドック学会とは、施設と受診者との懸け橋としての役割を果たしているのです。

7つの活動内容について

日本人間ドック学会活動内容は大きく分けて7つあります。

1.学術大会の開催

年に1回、全国の主要都市で健診事業従事者の研究成果の発表や特別講座や教育講座などを開催しています。予防医学を広める目的の一般向け公開講座もあります。

2.学会誌の発刊

年に5回、定期的に発行しています。内容は会員からの報告など。会員や健診施設向けに年間約4万部発行している。

3.認定医・専門医養成事業

ドックの担当医の質の向上を目的に一定の診査をクリアした医師を認定医に任命したり、専門医の育成を行っています。2017年1月には5240名が認定されました。認定医に任命された医師で、試験に合格するとさらに上位の人間ドック健診専門医に認定されます。こちらは2017年1月の時点で1640名になっています。

4.健診施設機能評価事業

平成16年度より施設の質の向上や受診者が安心して健診を受けられるように始めた事業です。施設を書面と訪問の2段階に分けて評価基準に則って日本人間ドック学会と日本病院会が評価しています。認定施設は、2018年5月時点で全国366施設になります。

5.人間ドック健診および関連領域調査、統計に関する事業

人間ドックの実施状況や検査結果を調査し、冊子の作成などに掲載します

6.健診施設の他団体等への紹介や指定に関する事業

7.人間ドック健診情報管理指導士及び食生活改善指導士養成事業

2つの資格を設立し、資格取得のための養成をしています。

人間ドック学会はどのように利用する?

実際に検査をしてもらえるわけではありませんが、私たち一般市民にも利用できるよう情報が開示されています。
施設を選ぶポイントや1日ドック基本検査項目表などの情報をホームページで発表しているので上手に取り入れましょう。

例えばどこの施設で受診するかを迷っているときは、これらの発表から自分に合った施設を選ぶ目安にすることができます。この場合、

「必要な検査が行われている」
「検査は安全で正確である」
「医師からの健診結果の説明がある」
「必要に応じて保健指導(生活のアドバイス)がある」
「アフタフォローがある」

の5つのポイントが掲載されています。

その他にも学会が定める一日ドック基本検査項目表なども記載されているので、どの項目を受けたら良いか迷っている場合は参考にすることができます。また施設機能評価も行っているので、厳しい学会の審査をクリアした優良な全国の学会の認定施設(5年ごとに更新診査を行う)を記載(全国364施設。2018年4月現在)してあります。

審査基準は、施設運営の体制や受診者の満足と安心、健診の質に対するものになります。人間ドックは料金や検査項目などの規定がないため施設によって大きな違いがあります。施設や検査項目などを選ぶ際には日本人間ドック学会の情報を利用すると良いでしょう。

審査にクリアした認定施設とは?

活動内容の中で受診者にとって一番役に立つ情報は、なんといっても「認定施設」の公表です。通常、審査項目をクリアすると「機能評価認定施設」に認定され、質の高い検査を受けられる施設であると証明されます。

人間ドック学会では保健指導実施認定を行っており、これは機能評価認定を取得の上、さらに保健指導に関する一定の基準(保健指導の体制の確立や指導の質向上に努めているか、受診者へのフォローアップなど)を満たしている優良な施設になります。この保健指導実施認定施設は全国で35施設になり、施設名をホームページ上で発表しているので簡単に最寄りの施設を探すことができます。

それ以外にも、腹部超音波検査制度管理と呼ばれる活動もしています。この活動では、施設が実施する腹部超音波検査の操作や技術、読影技術の評価や指導を行うことで信頼性の高い施設の育成を目的にしています。この腹部超音波検査制度管理は全国で78施設が参加しており、具体的な施設名もホームページに記載しています。
腹部超音波検査を積極的に行っているので、質の高い診査が期待できます。腹部超音波検査を受診する方は参加している最寄りの施設を簡単に調べることができ大変便利です。どこで受ければいいのか、どんな検査をすればいいのかが分かりますので、初めて受診する人でも安心です。

まとめ

あまりなじみのない人が多い日本人間ドック学会ですが、認定施設をホームページで公表しています。一定の厳しい検査をクリアした、質の高い健診を受けたい人が認定施設を簡単に探すことができます。その他には1日ドックの基本検査項目も記載してあるので初めて受診する人は検査項目を選ぶ時に参考になります。

学術大会では一般公開講座も実施しているので、予防医学に学びたい人は受講することもできます。健康的な生活を過ごすために賢く情報をとり入れましょう。

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