日本国内の各自治体では、国民健康保険に加入している被保険者が利用できる「人間ドック費用の一部助成」を行っています。これは各自治体が人間ドックの費用を一部負担してくれるもので、地域や助成額、申請方法などはそれぞれの自治体で異なります。
では誰が対象で、地域差はどれくらいあって、どこの病院に行けば良いのでしょうか?疑問に思われる方も多いと思います。そこで今回は、各自治体が実施している人間ドック費用の負担制度について詳しくご説明します。
自治体が実施する人間ドックとは?
日本には年1回、定期健診が受けられる制度があります。会社員や公務員およびその家族が対象に行なわれるものと各自治体の住民が対象のものがあります。この定期健診のほかに各医療機関が独自で実施しているものが人間ドックになります。
この人間ドックでは基本的な健康診断のほかに更に詳しい検査を追加することができます。人間ドックの平均費用は1日ドックで3万円~6万円ほどで医療機関によって差があります。各自治体では国民健康保険と後期高齢者医療制度の保険事業の一環として人間ドックを受診する人を対象に人間ドック費用助成制度を設けています。
自治体が負担してくれる費用は1~2万円程度(年1回のみ)、地域によって金額の違いがあります。助成対象の検査項目やドックを受けられる病院なども予め決められています。補助を受けた場合は、同じ年にある特定健康診査や後期高齢者健康診査は受けられないので注意が必要です。申請方法も各自治体によって違いがあり、申請の必要・不要もさまざまです。
自治体が実施する人間ドックのポイント
・1~3万円程の費用を補助してくれる
・人間ドックを受けられる病院が予め決められている
・各自治体によって申請方法が異なる
自治体が実施する人間ドックの対象者
自治体が実施している負担の対象者とは一体誰でしょうか?人間ドックの助成制度を受けられる人は、各自治体で共通しているのが「国民健康保険に加入している」ことになります。具体的に国民健康保険に加入している人とは、自営業の人やフリーター、会社を退職した人・休職中の人またはその扶養家族や世帯家族、生活保護を終了したい人などになります。
その他の条件は自治体によって大きな違いがあり、国民健康保険料を滞納しているか、納付している世帯に属しているかなどがあります。ドックを受けた同じ年に特定健康保険を受診していないことも条件にされている所が多いです。年齢は40歳以上からの自治体もあれば、30歳や20歳以上のもあり地域によって大きく異なります。年齢は74歳以下になっています。
75歳以上の人は後期高齢者医療制度に移行し、同様の助成制度を行っているため対象から外れます。今年度75歳になる人は、お誕生日の前日まで人間ドックを受けることができます。自治体が実施している負担の対象者は
・国民健康保険料を滞納していない人
・国民健康保険料を納めている世帯に属している人
・74歳以下の人
になります。事前に確認することをおすすめします。
各自治体によって違いがある
自治体が費用を負担してくれる金額や条件は地域で異なります。例えば、千葉県習志野市では、日帰り短期ドックの検査費用の7割を助成してくれます。年齢によって限度額が違い、30~64歳の人は25,000円、65歳以上の人は30,000円が上限になっています。東京の品川区や大田区では助成金の上限は8,000円、品川区や目黒区では助成金がありません。
山口県周南市のように自己負担額が一般の人間ドックで10,438円、脳検査をプラスしても20,958円と予め決められている場合もあります。助成金は1年に1度受け取ることができます。対象検査項目も異なります。
対象検査項目を特に設けていない自治体(その場合、助成対象外の項目が記載)や特定検査健康項目(身長・体重・血液検査・心電図など)とがん検診(胃・肺・大腸のいずれかから1つ選択)などの規定がある自治体までさまざまです。そのため自分の受けたい検査が対象項目なのかや、自分の住んでいる自治体の助成金の限度額はいくらかを確認しておくことが大切です。
検査項目や対象金額のポイント
・助成金がない自治体もある
・検査項目を細かく決めている自治体と決めていない自治体がある
・助成金は1年に1度もらえる
人間ドック助成金の申請方法と必要書類
人間ドックの助成金方法も各自治体によって異なります。自治体に直接申請する必要がなく、医療機関で助成金制度を利用する旨を伝えるだけのケース(松戸市)やドックを受診する前に市役所の保険年金課に「人間ドック等検診計画書」などで申し込みをするケース(草津市)もあります。
その他にはインターネットや郵送で助成を申し込む(習志野市)、人間ドックの受診日までに事前届け出、受診後に検査結果などの書類を持参して申請しにいく(守口市)などさまざまです。助成金の受取りは振込もしくは助成金額を引いた金額を窓口で支払うなどになります。
申請に必要な書類は、国民健康保険の被保険者証やその年の特定健康診査受診券、印鑑、医療機関名記名の領収書や健診結果が記載されたもの、振込先の金融機関の通帳などになります。必要書類や条件なども各自治体によって異なります。予め確認しておくことが大切です。
助成金の申請方法と必要書類のポイント
・事前申請が必要ない場合もある
・インターネットや郵送などで受付けている自治体もある
・国民健康保険の被保険者証と特定健康診査受診券は必要
・助成金は、振込の場合や助成金の金額を差し引いた額を窓口で支払う場合などがある
まとめ
各自治体が実施している負担制度はさまざまで、制度自体がない自治体もあります。対象年齢や助成金額や助成金制度の有無だけではなく、申請方法や助成対象の条件、対象年齢や医療機関や対象の診査項目などの違いもあります。
人間ドックには健康保険は適用されず費用は高額になるため、できるだけ自己負担が少なくなる各自治体の助成金制度を賢く利用しましょう。自分が住んでいる自治体の助成制度をあらかじめ確認しておくことが大切です。
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