みんなが知りたい人間ドックの基礎知識から検査の種類まで徹底解説!

名医が推薦する人間ドックのメニュー

日頃、人間ドックの受診はしていますでしょうか?
いつも無料で、または安く受けられる人ばかりではありません。どうしても自己負担が発生しますので、できれば受けたくないという人も多いのではないでしょうか。

ですが一方では、対象年齢になっていないけれども日ごろの不摂生が心配な若い人や、有料でもいいから受診したいという人なども間違いなく多いはずです。

いずれにしてもせっかくの人間ドック、掛ける費用から最大限の効果を得るためには、受診メニューを厳選して選びたいものです。
名医の意見を参考に、受診メニューを考えてみましょう。

今さら人に訊けない「人間ドック」とは?

人間ドックとはなんなのか、通常の定期健康診断とはどう違うのか、念のためにおさらいしておきましょう。

人間ドックは、実は明確な定義は特にありません。健康診断を定めている法律として労働安全衛生法などありますが、人間ドックについては特に定められておらず、どのような検査が含まれているのかは千差万別です。人間ドックを受けたといって単純に満足していてはいけません。検査の中身が、ご自身に必要な内容かどうかのほうが問題です。

最低限、人間ドックと名乗れるのは、法定の健康診断にプラスして、精密な臓器等の検査をしてくれるプログラムといっていいでしょう。特にがん検査については、一般の健康診断でカバーしているのは胸部レントゲン検査のみとなっています。がんが心配な人は、極力人間ドックを受けるに越したことはありません。50代以上の方なら、毎年受けておくのがいいでしょう。

人間ドックは時間も掛かります。検査項目が多いと1日で済まず、宿泊を挟んで2日以上のドックもあります。しかし、それだけ細かな項目まで検査すれば、病気を早期発見する確率は高まります。

また、費用についても、健康診断と異なり自己負担額が大きくなります。内容次第では数十万円となることも珍しくありません。しかし、受診料金の補助を受けることができる場合がありますので、その場合の自己負担額は数万円程度に抑えることができます。

人間ドックのメニューいろいろ

通常の健康診断では検査が行われない項目がほとんどです。

■内視鏡検査
内視鏡を口や鼻から挿入して、十二指腸や胃、食道などの上部消化管を観察する上部消化管内視鏡検査は、一般的には胃カメラと呼ばれているものです。この検査では、十二指腸潰瘍や食道がん、胃ポリープ、逆流性食道炎、胃がん、胃炎、胃潰瘍などの病気を見つけることができます。

■腹部超音波
胆のうに胆石などがないか、腎臓やすい臓、肝臓に腫瘍がないかを調べます。しかし、奥深い場所にあるすい臓は、超音波が入りにくいため観察が難しいです。

■血液検査
空腹状態でないと血糖や中性脂肪など評価が正しくできない場合があります。腎臓や肝臓の異常、貧血、糖尿病、高脂血症などの病気が発見できます。

■尿検査
尿比重、尿蛋白、尿潜血、尿糖、尿沈渣について調べる尿検査。糖尿病、脱水症、尿崩症、腎不全、腎機能の低下、糸球体腎炎、膀胱炎、尿路結石、腎性糖尿、甲状腺機能亢進症などの病気を見つけることができます。

■便潜血検査
陽性の場合、大腸がんや大腸ポリープ、消化管の出血性の病気などの疑いがあり、更に検査が必要になります。

その他、聴診器で異常音を調べたりや、手でトントンと触れて異常を調べる触診などの内科診察も行われます。うねうねとした血管が浮き出ているのが下肢に見えれば下肢静脈瘤、心臓の雑音が聴診器で聴取できれば心臓弁膜症が発見できます。

人間ドックで本当に必要なメニューはこれ

がんや循環器系の疾患は、発症に当たり遺伝の要素が大きくものをいいます。ですから、身内に死因となる病気に発症した人がいたときは、それに関係する臓器の検査を強化して、メニューを選びたいものです。

それから、生活習慣、加齢に伴って高くなるリスクに対処しましょう。
飲酒量の多い人は肝臓の疾患が気になるでしょうし、喫煙を多くする人、していた人は肺が気になって当然です。
これに対応する人間ドックのメニューは、胸部CT検査、喀痰細胞診検査などです。

50代の男性であれば、腫瘍マーカー検査を受け、前立腺がんのリスクに備えたいところです。
40代、50代の女性なら、マンモグラフィ、乳房超音波検査、子宮頚部細胞診、骨密度測定などを受けましょう。
女性の場合、閉経を境に骨密度が急激に弱くなることがあるので、骨密度測定も大事なのです。
あとは、日ごろの健康診断の結果に基づいて項目を選びましょう。

血圧が日ごろから高い人であれば、その結果の一つとして動脈瘤破裂など心配になります。脳のMRI検査(脳ドック)などは費用の高いものなので、このようなリスクが明確な場合に受けましょう。
あとは万人におすすめなのが、大腸内視鏡検査です。

食生活の変化で、現代日本人にとって大腸がんは大変多く発症する病気となりました。
ですが、人間ドックで非常に見つかりやすいがんでもあります。内視鏡検査は進行したがんでなく、ポリープの段階で見つけてもらえます。

人間ドックの自己負担

人間ドックは法定の検診ではないので、健保組合もなかなか無料では受診させてくれません。

無料であったり、格安の自己負担で受診できたりする人は非常に恵まれているのであり、そのような人はせっかくですから2年に1度は受診したいものです。無料でなくても、補助が出る健保組合も多くありますので、健保組合の機関誌やWebサイトで確認しましょう。

健康保険に入っていない自営業等の方も、国民健康保険で補助が出ることが多いです。市区町村のサイトで確認できます。例として、東京都品川区では上限8,000円の補助があります。40歳以上の被保険者なら利用できます。
ご自身で加入している生命保険で補助が出る場合もありますので、一度調べてみることをお勧めします。

さらに、受診機関であるクリニック自体で、継続してドックを受けると割引が効くものもあります。
一般的な生活習慣病予防のための人間ドック(日帰り)ですと、費用は5万円前後です。
3万円程度の人間ドックがありますと、かなり安いほうです。

胃カメラを希望すると5,000円ほど追加料金が発生しますが、胃カメラは、バリウム検査より確実な検査で、かつ体への負担も小さくなります。
脳MRI・MRAですと2万円程度、マンモグラフィ等の婦人科健診を加えますと、2~3万円程度上乗せされます。

まとめ

時間や費用がかかるからと敬遠されがちな人間ドックですが、通常の健康診断では検査しない項目をしっかり調べてもらうことができ、病気の早期につながります。特にがんは早期発見、早期治療が重要ですので、今まで人間ドックへ行ったことがない方は、この記事を機に、ぜひ受診することをおすすめします。

受診する前に、自分の社保や国保で受けられる検査内容や助成金、受けられる医療機関を調べ、遺伝や気になる部位を考慮し、受ける検査項目をまとめておくとよいでしょう。

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