みんなが知りたい人間ドックの基礎知識から検査の種類まで徹底解説!

自宅でできる人間ドックキットの検査内容

人間ドックというと今までは日帰りや1~2泊しての検査が主流でしたが、医療技術の発達にともない、自分で様々な項目をチェックすることのできる医療キットが販売されています。病院に行く時間がなかなかとれない人でも自宅で手軽に検査を行うことができるため、徐々に利用者が増えています。

今回は、人間ドックキットとはどのようなものなのか、どのような検査ができるのか、どのように検査を行うのかなどについて解説していきます。

自宅で検査可能な人間ドックキットとは?

最初に、自宅でできる人間ドックキットとは、いったいどのようなものなのかということについて簡単に説明します。

人間ドックキット、といっても病院で行う内視鏡検査など専用の機材などを使う検査を行うことはできないため、人間ドックの検査すべてをキットで行うことはできません。検査方法は採血と採尿というものがほとんどで、検査を受ける人が自分で採取した血液や尿を分析することで病気の有無やリスクなどを診断します。検査結果が病院のものと精度がほぼ同レベルということから、自宅でできる血液検査や健康診断・がん検診目的のものを人間ドックキットといっていることが多いです。

専用のキットはさまざまな会社から販売されており、それぞれで販売価格や検査項目が異なります。事前予約などは必要なく検査キットを販売会社のHPなどから購入し、自分で手順に従って採血や採尿を行います。採取した血液・尿などは郵送で指定された検査機関に送ることで後日検査結果が届きます。

病院で受診する人間ドッグは日帰りでも数万円、宿泊するタイプなら10万円近くかかることが多いですが、キットなら2万円前後、特定の病気単体の検査なら数千円程度ですみます。また病院のように1~2日もかからず数分~数十分で済ませることができるということから利用者が増えており、検査結果は早いところで1週間、遅くても2週間ほどで送られてくるところがほとんどです。

人間ドックキットの検査方法は?

まずは尿と腎臓の関係性について見ていきます。

尿というのは腎臓から作られます。腎臓は、血液から老廃物や塩分といった不要な物質を尿として体外に排出する働きをします。健康な人の体からは「体内の不要物」が尿という形で問題なく排出されるのですが、何かしらの病気を罹患している場合、または病気とまではいかないが、体内で異常やトラブルが発生している場合、本来尿に含まれることのない成分が混じってきたり、成分の数値が異常に高くなったり低くなったりするようになります。それらの結果は腎臓の「危険信号」としてみなされます。尿検査ではこのように、尿の中に含まれる成分を詳しく検査することで人間の体の異変をチェックします。

尿検査から分かる病気をいくつか見ていきましょう。

■腎臓に関わる病気
腎炎、急性腎障害、慢性腎臓病、腎結核、ネフローゼ症候群など

■膀胱・尿管・尿道に関わる病気
尿道炎、膀胱炎、尿路結核、尿路結石、過活動膀胱(OAB)、尿細管性アシドーシス(RTA)、尿道がん、膀胱がんなど

■その他
糖尿病、肝炎、肝硬変、尿崩症など

また、妊娠の兆候、ホルモンバランスが崩れたことによる病気、体内の各臓器における腫瘍、さらに精神疾患・神経疾患の一部なども尿検査で分かることがあります。

がんや生活習慣病をチェックできる

通常の健康診断の血液検査や採尿検査では、コレステロールなどの数値の変動やごく一部の病気の陰性・陽性反応だけをチェックすることがほとんどです。また病院での採血は採取する血液の量が多めなので時間がかかり、人によっては貧血を起こしてしまうこともあります。

しかし人間ドックキットなら、指先に針を刺してほんの数滴の血液と少量の尿を採取するだけで、通常の健康診断で行う検査の他に、次のような病気の有無やリスクを調べることができます。

・がん:胃がん・大腸がん・食道がん・肺がん・膵臓がん・乳がん・卵巣がん・子宮がん・胆のうがん・胆管がん・前立腺がん・肝臓がんなど
・生活習慣病:動脈硬化・糖尿病・腎疾患・肝臓疾患・高血圧・痛風・尿路結石・脂質代謝異常・肥満度・栄養障害など

販売会社によっては、特定の病気の診断用のものも販売しており、C型肝炎やピロリ菌抗体、クラジミアなどといった病気のリスクや診断を行うことができるものもあります。自分が検査したい項目があるものを選ぶのがポイントです。

ただし、自宅で手軽に行える人間ドックキットでは、基本的に採血・採尿での検査となるため、内視鏡やX線など専門の機械を使って画像チェックをするような検査を行うことはできません。

人間ドックキットを使用するメリットとデメリット

人間ドックキットはメリットだけでなく、デメリットも存在します。それぞれどのようなものがあるのか、簡単にまとめてみましょう。

【人間ドックキットのメリット】
・低価格で受けることができる
・時間がかからない
・病気の早期発見が可能
・採尿や採血量が足りない場合は無料で再検査してもらえることがある
・会社によって医療相談やセカンドオピニオンなどを相談できる

一番のメリットはやはり時間がかからず低価格で受診できるということです。フリーランスなど仕事が忙しい人でもほんの数十分で検査を終了することができます。販売会社によっては検査結果送付後に提携している医師に、セカンドオピニオンなどの相談ができるというサービスがあります。

【人間ドックキットのデメリット】
・がん検診などは、場合によって無料で受けることができる
・病気の発見が怖くて先延ばしにしてしまうことがある

各地方自治体で行っているがん検診や会社で行うがん検診を受ける場合は、無料のことが多いです。そのため割高になってしまうことがあります。またキットを購入しても、病気が見つかったときのことを考えると怖くなってしまい、検査を行うのを先延ばしにしてしまうという人や、購入しただけで満足してしまって検査をしていない、というケースも多いです。

まとめ

自宅で簡単に人間ドックを受けることのできるキットは、少量の採血と採尿をすることで、病院で受けるものとほぼ互角の精度の結果を得ることができます。検査の予約申し込みの必要もなく、郵送ですべて終わらせることが可能です。病院で受けると数万円かかるので金銭的に無理だったり、仕事でどうしても1~2日も時間を取ることができないという人にはピッタリの検査方法といえます。

今までがん検診などを受けたことがない、健康診断も長期間受けてないという人はこの機会に一度自宅でできる人間ドックキットを利用してみてはいかがでしょうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です