みんなが知りたい人間ドックの基礎知識から検査の種類まで徹底解説!

人間ドックは受ける意味がない?健康を守るためにやるべき4つのこと

目次

1.人間ドックはどのような目的で受けていますか

2.人間ドックは受ける意味がない?

3.人間ドックで見つからないケースもある

4.検査結果が出たらそれっきりにしていませんか

5.健康を守るためにやるべき4つのこと

 

人間ドックを受診されたことがある方、これから受診を検討されている方の中には、

「人間ドックを受けても、病気が見落とされることがあるのなら受けても意味ない」

「高額だし、検査結果の見方もよく分からないから、もったいない」

といった、不満・不安を抱えている方がいらっしゃるのではないでしょうか。今回の記事では人間ドックを受ける意味をご説明します。記事を読むことで、人間ドックを受ける意味が明確になり、検査結果が健康維持に役立つでしょう。ぜひご参考ください。

1.人間ドックはどのような目的で受けていますか

健診や人間ドックは「現在の健康状態を明らかにし、健康異常に対する早期発見と健康の保持」という目的で行われています。自覚症状がないのにすでに発症している病気や、将来自分が病気になりうるリスクを見つけることに適しています。元気だと、健康であると過信してしまいます。しかし、体が動くことと、体の中で起きていることは、違います。過信せず、まずはチェック。予防のうえで本当に大切です。

また「最近調子が悪い」とか「病院にいくほどではないけど不調がある」といった場合は、人間ドックではなく病院を受診してください。たとえ軽くても自覚症状があるなら、「ちょっとだからいい」などと考えずに、できる限り早期に原因を発見して、しっかりと対処をしましょう。

健診や人間ドックの適正な頻度は、多くの人は年1回でいいということが、様々なデータから割り出されています。ただし、身内に特定の病気になった人がいるとか、体質として血糖値が上がりやすいとか、体重が増えたなど、何か変化があれば、ぜひ、前の検査から1年経っていなくても、広く検査することが必要です。

2.人間ドックは受ける意味がない?

病気をすべて早期に見つけても、本当に命が永らえるのかわからないから、症状が出てからそれに対処すれば、それで十分という論調があります。

その根拠として、

・子宮頸ガン、乳ガン、大腸ガン(便潜血)の3つ以外のがん検診は科学的根拠がなく、受ける意味がない。

・脳ドックも、過去の脳梗塞歴がわかるだけで、予防にならない。

・人間ドックで高血圧だとわかっても、脳卒中になるのは30人に1人。

・20・30代で乳がん検診を受ける意味はほとんどない。発症率は極めて低く、マンモグラフィーの放射線被ばくのリスクがある。

といったものが挙げられます。

こういった論調を支持する医師は、統計的なデータをもとに、個人が健康診断を受けることまで否定します。確かに生活習慣病を放置しても、すべての人が血管の病気で亡くなるわけではありません。しかし、生活習慣病があるのに何年も放置していれば、ある日突然、脳卒中を起こして死んでしまう可能性があります。

また愛煙家の中には「こんなにタバコを吸っているけど、がんになっていない」などといって、タバコとがんは関係ないと決めつける人がいます。タバコはがんのリスクを高めるという医学的根拠があります。現在、たまたま何も症状がないからといって、本当に健康かどうかは健診や人間ドックを受けないとわかりません。

一方で医療ジャーナリストの森田豊氏は、「人間ドックは意味がある」と回答しています。人間ドックで見つからないケースもありますが、多くのがんは検診で見つかります。罹患者が多い乳がん、子宮がん、肺がん、大腸がん、胃がんの検査は絶対にやった方がいいとの意見です。

健診や人間ドックを受けても死亡率が下がらないというデータがありますが、それは統計的に見た話です。

例えば、症状が出てから病院を受診して、そこでがんが見つかるとします。それが、進行したがんや末期がんと診断された時にどう感じるでしょうか?「なぜ人間ドックや健診を受けておかなったのだろう」と思うはずです。手の施しようがない状態で見つかった時の後悔や絶望感は計り知れないものがあります。

それに突然の病気は本人だけの問題ではありません。家族がいれば、家族に大きな負担がかかります。一家の大黒柱が倒れて収入の道が断たれたら、人生設計がすべて狂ってしまいます。

もちろん、亡くなってしまえば、残された家族の生活も困窮します。皆さんの体は自分だけのものではありません。守るべき人のある方なら、健診や人間ドックで病気を早めに見つけるようにしてください。

3.人間ドックで見つからないケースもある

健診や人間ドックの検査は、異常があればできるだけ拾いあげるように日々精度が高まっています。しかし、どんな検査も100%はありません。確率は低くても、病気を見つけられないケースがあります。

薬はメリットとデメリットを比較して、メリットのほうが大きいため医師より処方されます。もちろん、医師が服用を管理しているので、強い副作用が出れば中止します。それでもごくまれに、重篤な副作用で患者が死亡するケースもゼロではありません。99.99%の人に治療効果があるのに、0.01%のリスクを恐れて、その薬を使わないわけにはいきません。

健診や人間ドックも同じです。ごくまれなケースがあるからといって、受ける意味がないということにはならないのではないでしょうか。

4.検査結果が出たらそれっきりにしていませんか

「人間ドックや健診は、忘れたころに検査結果が郵送されてくる」

「検査結果の単位や用語には見慣れないものが多く、見方がよく分からない」

と感じている方は多いのではないでしょうか。

人間ドックを受ける直前は健康への意識が高まっていたけど、検査結果が届くころには関心が薄れてしまい、結果はチラッと見るだけ。これではせっかく高い費用と時間をかけたのに無駄になってしまいます。人間ドックを受けること自体が健康維持につながることにはなりません。検査結果を参考に、日頃の生活を振り返り、生活習慣の改善に取り組むなど適切に対処することが重要です。では、具体的には何をすれば良いのでしょうか。

こちらの章では、人間ドックを無駄にしない賢い受け方について説明します。

施設の選び方

ご自身の健康を考え、人間ドックの施設を選ぶ時、 「何を基準に施設を選べば良いか」が分からない方は多いと思います。一般的に言われている施設を選ぶポイントは、自宅や会社に近い施設・有名な大病院・病気が見つかった時に、しかるべく医師を紹介してくれるかどうかなどといったことが紹介されています。もちろんこういった基準で選ぶもの良いです。しかし、総合内科専門医の大竹真一郎医師によると、

・人間ドックの専門医職は医療現場に疲れた意識の低い医師の転職先として人気。

・値段の高さと精度はまったく無関係。赤字の補填のために人間ドック科が置かれているケースもあります。

・検査を受ければA~E判定の検査結果が出ますが、問題はC判定(要再検査)。Bに近いCなのか、Dに近いCなのかを見極めるのが医師の仕事なのに、コンピュータまかせの医師が多い。

との意見ですので、検査結果が信頼できない施設も残念ながらあるようです。こういった施設を選ばないためのポイントとして、「検査項目・結果にたいして、しっかりと説明やアドバイスをしてくれる」施設かどうかが重要になります。

検査項目に問診がある・検査当日に一部の検査結果を説明してくれるなど、医師に直接質問や説明をお願いできる施設を選ぶようにしましょう。「医師による説明が一切ない」や「最初に既往歴を申告する際に、面接をせずアンケートだけ」のところは要注意ですので、そういった施設で人間ドックを受けられたことのある方は、次回も同じ施設に行くべきかそうでないかを検討してください。

かかりつけ医の重要性

後日検査結果が届き、見方が分からない場合は遠慮せずに医師に相談しましょう。検査結果は年齢や性別によって意味や解釈が異なってきます。さらに単体ではなく組み合わせで判断することも重要のため、医師による解説が最も有効です。ある数値に異常があったからといって、症状などは出なくても、その状態を長く放置しておくと生じるリスクや、その異常値を早期に改善するにはどうしたら良いかを助言してくれます。

そのためにも、気軽に話せ信頼できる「かかりつけ医」を見つけましょう。今後どんな項目をどのくらいの頻度で受けるかは、そのかかりつけ医と相談し、オプションの検査は身内にそれらの病気になった人がいるとか、自分自身に疑いを感じた人が受ければいいです。

生活習慣の改善

検査結果の数字が悪いと落ち込むからと、人間ドック直前だけとりつくろっても意味がありません。それを契機に生活習慣を改めることが定着するならば、それは大変結構なことです。しかし、人間ドックや健診を受ける前の1、2週間だけ節制して、残りの350日は適当にやっているというのでは、全く意味がありません。

異常な数値が出たとしても、多くの場合は挽回可能です。検査結果を活かすには、医師や保健師のアドバイスを聞き、自分の生活に取り入れていくことが基本中の基本です。「日々の暮らしをどう見直せばいいだろうか?」とポジティブにとらえ、異常値を「どうせ、すぐに良くなる」などと考えないことです。

たばこや大量飲酒、無用に長く紫外線を浴びるなど、体にとって悪いことは早い段階から避け、苦痛にならずに継続できる健康管理を、ぜひ身に着けてほしいと思います。

5.健康を守るためにやるべき4つのこと

人間ドックには否定的な意見もありますが、健康でいられる間にこそ、健康に気を配り、定期的な検査を受診し、早期発見に努めることが重要だと思います。早期発見することで、万が一、治療が必要になった場合でも、自分の体にかかる負荷も、金銭的な負荷も、遅れて発見するより遥かに少なくて済みます。そのため、1年に1回など定期的に人間ドックや健診を受診することをお勧めします。

最後に健康を守るために重要なポイントをまとめましたので、ぜひ日々の生活に取り入れ健康維持に役立ててください。

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